キジカクシ科スズラン属の宿根草。英名は、Lily of the valley(谷間の百合)だそうです。
春深くなると、明るい緑色の葉が花穂を巻いて芽吹いてきます。
葉が茂り始めた頃、純白の小さな鈴を並べたように咲いてくれます。
仄かに漂う甘い香りは、この愛らしさを更に引き立てるようです。
すずらんお香りをミュゲと言って、バラやジャスミン香と合わせて、
三大フローラルのひとつで、香水を構成する重要な成分になります。
ですが、此花から香りの成分は作られていないとか・・・
この香りを作ることは、調香師のロマンでしょうか。
種類はあまりなく、葉に斑入りのものや八重咲きが有ります。
が、未だ出会っておりません。
繁殖力が旺盛ですので、周囲にはびこることが無いよう、鉢植えにしております。
秋になると、オレンジ色の小さな丸い実が付きます。
花が、ピンク色のものを育てましたが、この鈴蘭に比べるとなかなか気難しく、
繁殖もせず消滅してしまいました。また、見つけたら育ててみたいと思います。
こんなに清楚で愛らしい花のですが、実は有毒草です。
日本の有毒植物(監修:佐竹元吉氏)によりますと、全草、特に花と根が指摘されています。
毒性成分として、強心配糖体の一種、コンバラトキシン、コンバラサイド などを含んでおります。
摂取した場合、嘔吐、頭痛、眩暈、心不全、血圧低下、心臓麻痺などの症状を起こし、重症の場合は死に至るとか。
スズランを活けた水を飲んで中毒した事例が有ります。赤い実を含め、子供が誤食しないよう注意しましょう。
花粉にも含まれますので、食卓に飾るのはふさわしくありません。
花粉が付いてしまった場合や、植え替え後など水で洗い流すようにすれば大丈夫です。
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